On Blahfe

マネジメントとは何か

blog/organizationteam-building
thumbnail

組織が拡大するにつれて、私は自らの手だけでは対応できないことに気づきました。そこで、マネジメント業務をチームのメンバーに委譲する必要が生じました。これは容易なことではありません。個々のタスク指示はうまくいくかもしれませんが、「よしなにやって」と言っても、周辺の整理も含めてタスクを円滑に進めるための調整を伝えるのは一言では不可能です。同じマネジメント職同士なら問題ないのですが、私がまだマネジメントの世界に入りたてのメンバーと連携する場合、どうすれば良いのかわかりませんでした。

PROBLEM

  • チームメンバーにマネジメントを理解して欲しい
    • けれど、マネジメントに関する書籍が多く、一言でこれを読めと伝えるのが難しい
    • 一方、一言では言い表せないが、一目でなら表せるものが自分の中に出来上がっている
      • 昔手にした書籍をヒントにマネジメントの枠組みというのを自分の頭に構築していた
        • ただ、そのことについて書かれた書籍を見たことがない

SOLUTION

そこで、私は自分の頭の中に構築したマネジメントの枠組みを整理することにしました。

私はそのフレームワークを「GRPR(グルーパー)マネジメントサイクル」と呼んでいます。GRPRはゴール(G)、リソース(R)、プロセス(P)、ルール(R)の頭文字の組み合わせです。私はこのGRPRを grouper(熱帯や温帯の海域に分布する魚のハタの意)の略字に見立てることで、マネジメントサイクルをハタの形に重ねて覚えています。下記がそのサイクルです。どうです、ハタに見えませんか?

UML

このフレームワークは、どの職種にも応用できます。私はこれまでいくつかの職種でマネジメントを行ってきましたが、どれも無理なく実施できました。また、このフレームワークはマネジメント関連の書籍を整理する際にも役立ちます。

さて、それでは各要素を具体的に見ていきましょう。

ゴール

計画と意思決定を行います。これはSMARTの原則に従って戦略的かつ具体的かつ測定可能で達成可能な目標を設定することが重要です。以下は分かりやすい例です。

目標例

  • デザインコーディネーション
    • 組織パターン
  • サービスカタログ

変化前のリソースとプロセス

ゴールを決めた後にその方向に動き出すための現状把握を行います。対象にはリソースとプロセスがありますが、それらは人も含みます。まずリソースについて、人の場合は意志の状態と価値観の確認を行い、人以外の場合は当該リソースのステータスを確認します。

  • マインドフルネス、アンガーマネジメント、心理的安全性
  • キャリアアンカー

プロセスについては各業務フロー、システムフローを確認します。

  • CMMI

変化後のリソースとプロセス

現状を把握した後に目指すべきリソースとプロセスが決まったらそちらに変更を促します。所謂 指示と動機付けを元にした「変更管理」を行います。これはリーダーシップという切り口で語られることが多いマネジメント領域です。

ルール

最後にリソースやプロセスの現状や変化を観察し評価します。この評価によってルールを定め、次のゴールへと段階を上げていきます。なお、ルールはリソースやプロセスに制限をかけるものではありますが、長期的に見た際に安全に業務を回すためのガードレールの役割を果たします。

例えば、ルールには下記のようなものがあります。

  • 業務運用方針
  • 各パブリッククラウドのIAM設定・運用の方針
  • AWS Control Tower

WRAPUP

まとめると、これが私が考えたマネジメントのフレームワークです。まだ未完成ではありますが、今後はメンバーからのフィードバックを受けながらさらに洗練していきたいと思っています。

nabinno
Emacsianでアート好き、ランニング好きな@nabinnoが書いています
GitHub / X / LinkedIn / ネクイノ
blog/market

今後の成長分野:新たなテクノロジーの展望

テクノロジーの進化は、絶え間ない変化の中で私たちの日常を塗り替えてきました。時には経済的な危機が、新たな可能性を切り拓く契機となることもあります。そこで、過去のリセッション期に生まれたテクノロジーの足

market-trendrecession
blog/organization

ATKerneyの課題解決パターンの魅力的な探求

ATKerneyの課題解決パターン は、課題の本質を見極め、効果的な戦略的構造化を通じて解決策を導き出す手法にフォーカスしています。この冒険の旅は、解決者と協力者たちが心を一つにし、課題に立ち向かう様

problem-solvingatkerney
blog/market

就職氷河期とは何だったのか

私はいわゆる就職氷河期世代です。周囲から時折漏れ聞こえる不平のような言葉がありますが、それを単なる不平として片付けるのはもったいない気がします。できれば、その中に新しい視点を見つけ、次のチャンスへ繋げ

labor-economicsrecessionemployment-ice-age