組織が拡大するにつれて、私は自らの手だけでは対応できないことに気づきました。そこで、マネジメント業務をチームのメンバーに委譲する必要が生じました。これは容易なことではありません。個々のタスク指示はうまくいくかもしれませんが、「よしなにやって」と言っても、周辺の整理も含めてタスクを円滑に進めるための調整を伝えるのは一言では不可能です。同じマネジメント職同士なら問題ないのですが、私がまだマネジメントの世界に入りたてのメンバーと連携する場合、どうすれば良いのかわかりませんでした。
そこで、私は自分の頭の中に構築したマネジメントの枠組みを整理することにしました。
私はそのフレームワークを「GRPR(グルーパー)マネジメントサイクル」と呼んでいます。GRPRはゴール(G)、リソース(R)、プロセス(P)、ルール(R)の頭文字の組み合わせです。私はこのGRPRを grouper
(熱帯や温帯の海域に分布する魚のハタの意)の略字に見立てることで、マネジメントサイクルをハタの形に重ねて覚えています。下記がそのサイクルです。どうです、ハタに見えませんか?
このフレームワークは、どの職種にも応用できます。私はこれまでいくつかの職種でマネジメントを行ってきましたが、どれも無理なく実施できました。また、このフレームワークはマネジメント関連の書籍を整理する際にも役立ちます。
さて、それでは各要素を具体的に見ていきましょう。
計画と意思決定を行います。これはSMARTの原則に従って戦略的かつ具体的かつ測定可能で達成可能な目標を設定することが重要です。以下は分かりやすい例です。
目標例
ゴールを決めた後にその方向に動き出すための現状把握を行います。対象にはリソースとプロセスがありますが、それらは人も含みます。まずリソースについて、人の場合は意志の状態と価値観の確認を行い、人以外の場合は当該リソースのステータスを確認します。
プロセスについては各業務フロー、システムフローを確認します。
現状を把握した後に目指すべきリソースとプロセスが決まったらそちらに変更を促します。所謂 指示と動機付けを元にした「変更管理」を行います。これはリーダーシップという切り口で語られることが多いマネジメント領域です。
最後にリソースやプロセスの現状や変化を観察し評価します。この評価によってルールを定め、次のゴールへと段階を上げていきます。なお、ルールはリソースやプロセスに制限をかけるものではありますが、長期的に見た際に安全に業務を回すためのガードレールの役割を果たします。
例えば、ルールには下記のようなものがあります。
まとめると、これが私が考えたマネジメントのフレームワークです。まだ未完成ではありますが、今後はメンバーからのフィードバックを受けながらさらに洗練していきたいと思っています。
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