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提供していない決済方法を業務で取り扱う際に気をつけること

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ECプロダクトを扱っていると、銀行振込という決済方法には欠かせないものとなります。しかしながら、特定のターゲット層を除いて、高いコストがかかる銀行振込は通常は裏メニューとして実装されることが多いでしょう。今回は、このケースにおける課題と解決策について詳しくご説明いたします。事前に対策を講じておくことで、業務の硬直化やスケーリングへの影響を最小限に抑えることができるでしょう。

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PROBLEM

銀行振込のみを通常の決済方法として提供している場合には、以下のような問題が生じることがあります。

  1. 人力でトランザクションを処理する必要があるため、予期せぬ支払いや二重決済が発生する可能性があります。
  2. 不整合処理に関わるCS担当者に権限が集中してしまい、運用上の制約が生じることがあります。

通常のケース

UML

「ユーザ」:もしも銀行振込に変更したいんだけど、できる?
「CS」:(管理画面を通じて)了解しました。銀行振込を設定しますね。

不整合が起きるケース「銀行振込と通常決済が同時に実行」

UML

「ユーザ」:(問い合わせをする)銀行振込に変更したいです。
「CS」:(了承を得て)もちろん、銀行振込をお使いいただけますよ。

(ユーザが「銀行振込」を選択し、一方で「通常決済」も行われるシーン)

「ユーザ」:(アプリを通じて)支払い完了!
「CS」:(困惑した表情で)えっ、銀行振込を選択してくれたはずなのに、通常決済も同時に行われている…?何が起きているのか調べないと。

SOLUTION

銀行振込の不整合を防ぐために、システム側に決済ロックを実装することが重要です。ただし、振込確認を人力で行っている場合には、銀行振込を表側に出すのは難しいかもしれません。そこで、問い合わせタイミングでロックできるよう、問い合わせ窓口を工夫する必要があるでしょう。プロダクトのUXにも関わる重要な課題ですが、根気よく取り組んでいくことが必要です。

UML

「ユーザ」:(問い合わせをする)銀行振込に変更したいです。
「プロダクトアプリ」:(問い合わせを受け取りつつ)わかりました。銀行振込をロックしますね。

「CS」:(ユーザへ案内しながら)銀行振込の方法についてご案内いたします。

WRAPUP

ECプロダクトが成長し、決済方法が増えてくると業務処理が複雑化してきます。特に決済の適正性には細心の注意が必要であり、トランザクションの量に応じてリスクアセスメントを行い、適切な対応策を講じていくことが大切です。これにより、業務のスムーズな運営と顧客満足度の向上につなげることができるでしょう。

nabinno
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