最近のAWSはCDKの発表に代表されるようにインフラ以外の開発者が触りやすい環境が整ってきています。ただ、こうした機能やリソースを存分に享受するにはIAM管理だけでは不足しており、AWSアカウントの管理方針を大枠で整理する必要が出てきました。今回は深く考えずに使っていたOrganizationsを整理する際にはまったポイントを記していきます。
というわけで、一旦Organizations機能を解除して新しく作成したAWS管理アカウントに移行していくことにしました。一つ一つの作業は単純なのですが意外と時間がかかることが分かったので備忘として残しておきます。
OrganizationsのOU構成はサムネイル画像のBEFORE/AFTERの通りです。
BEFORE:Organization Unitの構成は全然考えずとりあえず追加していました。
AFTER:こちらの記事「Best Practices for Organizational Units with AWS Organizations | AWS Management & Governance Blog」を参考に構成しました。
やったことはこちらの記事「2 つの AWS Organizations 間でアカウントを移動する」の通りですが、いくつかはまるポイントが書かれていないのでそちらも合わせて記します。まず注意点として3つあります。
一つ目は、Organizationsの移行期間中は請求の種類が3種類になる可能性があります。具体的には「古いOrganizationsによるコンソリ請求」「スタンドアロンのAWSアカウントによる請求」「新しいOrganizationsによるコンソリ請求」です。会社組織としてAWSを利用している場合は経理側との連携が必要になってくるでしょう。
二つ目は、古いOrganizationsから追加作成されたメンバーアカウントには請求情報の追加と電話番号の認証を行う必要があります。前者の請求情報の追加はそれほど手間ではないのですが、後者の電話番号の認証はAWSサポートを介すため1アカウントごとに3日から1週間ほど時間がかかります。詳細の対応方法はこちらの記事「組織からのメンバーアカウントのリンク解除のエラーを解決する」を参照下さい。
三つ目は、新しいOrganizationsでは先に制限緩和を行っておきましょう。新しいOrganizationsを作成する際はおそらく古いOrganizationsの時よりもにメンバーアカウントが増えることと思います。特にベストプラクティスのOrganization Unitでアカウントを分けていくとあっという間にデフォルト制限の10を超える可能性が高いです。
次に移行手順ですが、上記の注意点をクリアしたらほぼ単純作業になります。
昨今のAWSの動きを見ると、インフラ以外の開発者にもAWSを気軽に使えるようになってきており、Organizations機能を使うこと前提にサービスが展開されているようです。なのでこうした恩恵をうけるためにもOrganizationsのベストプラクティスに則ったアカウント構成にする必要があります。
一応の注意点としては、Organizationsが便利だからといってOrganizationsからメンバーアカウントを追加することは止めた方がいいです。Organizations移行の注意点から分かる通り、Organizationsから追加されたメンバーアカウントには請求情報追加も電話番号認証も行われません。いざ別のOrganizationsに移行する際に想定外の手間と時間をかけないよう、常にスタンドアロンでAWSアカウントを作成するようにしましょう。
さて、Organizationsの勘所が見えてきたら次はAWS SSOという便利な機能が待っています。AWSを楽しみましょう。
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